2011/01/31

栗色の髪



雪深い北半球の国。
雪が輝く晴れの日。


雪かきなどの作業を切り上げ、
暖かい暖炉のある部屋に息を切らせながら2人で戻り、
マフラーや手袋、
コートやジャケットなどつぎつぎに脱いで、
ニットの耳当て帽を取ると、
柔らかな栗色の髪が香る。


何かの話題で、
2人おなかをかかえて笑い合い、
暖炉の前のソファーに、もつれ込む。


少し距離を置いていたクールな猫も、
ソファに上がり、
当然のように2人の間に陣取る。


しばらく笑い合っていた2人は、
ふとした沈黙に見つめ合い、そっと触れあう。


人々の追い求める楽園は、
いつもそこにある。
キャッチしないと気付かぬままに消えて行く。


栗色の柔らかい髪の香り。
そっと触れるときの甘いとまどいの気持ち。
触れられるときに思わず出てしまいそうになるため息。
輝く雪景色。
暖炉の美しい炎。
1人で生きているような顔をしながらも、
膝に乗って来る猫。


すべてに楽園が宿っている事に、
気付いて。

2 件のコメント:

  1. へへへ。。遊びにきましたよ。。がはくです。。

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  2. がはくさん♪
    コメント嬉しいです〜!
    初めてのコメントですよ〜!
    今日はいい日です、ありがとうございました!

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