2011/01/27

枕草子 "LushSplushの場合"

春は午後
春風に乗って緑が薫って来る。
髪を風になびかせて草原に立てば、何も怖い物は無い。
どうしてか心が踊り、
あの人の事を考えると、
スカートをはためかせて走り出す。
もう止められない。


夏は早朝
すがすがしく、まだ冷たい清潔な空気。
これから暑くなる予感の蝉が、もう鳴き出す。
暗いキッチンでよく冷えた水を、のどをならして飲めば、
外はすぐに暑くなる。
燃えるような緑、青すぎる空に白過ぎる雲。


秋は夜
夏の暑さが落ち着き、
冷静に自分の気持ちを整理する夜。
鈴虫がそれを助けてくれる。
少し落ち着いて自分を見つめてみる。
心の奥にある炎を見つけて
慌てるものの、
綺麗な空気に心が洗われ、
高い空に気持ちは自由に飛び立つ。


冬は朝
毛布の魔法でベッドから出られない朝も、
窓の外に雪を見ればすぐに飛び起き、
窓に駆け寄る。
顔が輝き少女に戻る。
暖かいミルクのマグカップを両手ではさみ、
ストーブを点けて暖まるまで炎を見つめ、
あの人の事を考える。
外に出れば身を切るような冷たい空気も、
心地よい。
コートの襟を立てて
靴の音も軽快に歩いて行く。

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