2011/05/02

おばあちゃんと手をつないで。



今日お客様で、
足の悪いおばあちゃんが来た。


運転手さんを引き連れて、
というか、手をつないで、
店内を見て歩いていた。


買物も済み、帰る頃になると、
運転手さんは荷物を車まで運び、
車を店の近くまで動かして来ると言う。


運転手さんがいなくなって、
おばあちゃんは、
暫く私と話し込んだ。


頭の中はとてもしっかりしていて、
記憶力も素晴らしかった。
好奇心も旺盛で、
楽しくてかわいいおばあちゃん。


弱っているのは、足だけ。


そして、そろそろ車が来るからと、
出口の方へ行こうとする時に、
自然に私の方に手を伸ばして来た。


手をつないで欲しいと言うこと。


あまりにも自然で、
あたりまえだと言う空気に、
私もごく自然に手を出して、
ぎゅっとつなぎました。


おばあちゃんも、
ぎゅっと握って来て、
懸命に歩く。






何でも自分でやり、
人に迷惑はかけるな、
と言う日本人の考え方。


でも、他人に何かしてもらうのは、
勇気のいることだ。
おばあちゃんを見ていたら、
自分の不自由を受け入れ、
人に気持ち良く甘える事の出来る、
強さ、潔さを感じて、
気持がよかった。
それは、むしろ、
相手に親切をさせて気分よくさせると言う、
逆の流れなのだと思った。
親切するのって気分がいい。
それをさせてくれたおばあちゃんなのです。
だから、私がおばあちゃんに
「してあげた」のではなく
おばあちゃんが私に「させてくれた」、
と言う図式です。


それに、
なにしろスキンシップの好きな私ですから、
おばあちゃんと手がつなげて、
とても嬉しかったのです。


おばあちゃんの手の温かさと、
乾いたしわしわの、さらっとした感じ、
今でも感じます。




   



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