2011/04/27

触ってはいけない繊細なガラス細工かも知れないのだ。





相手が何か話している時、

時々、
いや結構頻繁に、
話の後ろに何かが隠れている事がある。

話す言葉を、
普段はそのままストレートに聴いている。
言葉の裏に何かあって、
相手がそれを出そうとしている時は、
サインがわかり易いので察知出来る。

けれど、
相手が言葉の裏を胸にしまっている時でも、
なぜかそれを察知してしまう時がある。

ピンと来るのとも違う。
手探りで探し当てるのだ。

暗闇で、
何も落ちていないかも知れない床を、
ただ漠然と探ってみる。
盲目的に目星をつけて、ある位置に手を伸ばしてみると、
そこにあるものに手が触れる。
触れた時はそれがどんなものかは、
私にはわからない。
意味の無いものかも知れないし、
爆弾かも知れない。
触ってはいけない繊細なガラス細工かも知れないのだ。

それに触れて相手の様子をうかがうと、
意味の無いものの時は反応しないし、
ガラス細工の時は目を伏せて黙り込む。
爆弾であったなら、
相手はそれについてたいがい、
良く見つけてくれたと言わんばかりに、
喋ってくれる。

ビンゴ。
手探りの暗闇は一気に明るく照らされ、
相手はよく見て欲しい、
わかって欲しいと、                                
訴えかけて来る。
それは相手が本当に言いたかった事。


そして、私はその人の
堰を切って出るような話を、
黙って聴く。

その人に少し乗り移ってみる。
もちろん、完全にとは行かないが、
少しは、予想出来る。
相手の状況を聴き出し、
気持ちを想像してみる。
相手の目で見てみる。

意外と話している事と違う感情がそこにあったり、
本人も気付かない気持が隠れていたりする。

私だってそうだもんな。
とても悲しい時に、
笑顔で過ごしたりするもんだ。

人と真剣に話すときは、
仮面をとって、
心を更にして、
手探りで聴きたいものだ。


   

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