残酷な太陽
学校から帰って来るなり、
鞄を放り出し、
白い出窓に顔を伏せる。
授業中に机で寝る時の感じで、
暫くそうしている。
顔を横に向けると、
まばゆい、柔らかい太陽の光が、
私を暖かく包んでいるのがわかる。
おばあちゃんの膝掛けみたい。
窓の外の広葉樹の影が、
太陽の光を解きほぐしてくれる。
風で広葉樹が揺れると、
光もきらきら揺れて、
私の気持ちも。
顔を横に向けたから、
涙は横にこぼれちゃうね。
こんなに溢れんばかりの暖かい光の中でも、
悲しみは変わらずそこにある。
癒されているようでいて、
むしろ悲しみが増幅される。
暖かさで、
たがが外れて、
心の痛みがあふれてくるのだ。
残酷な太陽。
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