2011/04/28

残酷な太陽



学校から帰って来るなり、
鞄を放り出し、
白い出窓に顔を伏せる。


授業中に机で寝る時の感じで、
暫くそうしている。


顔を横に向けると、
まばゆい、柔らかい太陽の光が、
私を暖かく包んでいるのがわかる。
おばあちゃんの膝掛けみたい。


窓の外の広葉樹の影が、
太陽の光を解きほぐしてくれる。


風で広葉樹が揺れると、
光もきらきら揺れて、
私の気持ちも。


顔を横に向けたから、
涙は横にこぼれちゃうね。


こんなに溢れんばかりの暖かい光の中でも、
悲しみは変わらずそこにある。
癒されているようでいて、
むしろ悲しみが増幅される。


暖かさで、
たがが外れて、
心の痛みがあふれてくるのだ。


残酷な太陽。






   

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